急性期フォークト・小柳・原田病に対するステロイドパルス療法とステロイド内服+シクロスポリン併用療法の長期経過の比較検討

フォークト・小柳・原田病の患者さまの診療情報を用いた医学系研究に対するご協力のお願い

 このたび当院では、フォークト・小柳・原田病で治療を受けられた患者さまの診療情報を用いた下記の医学系研究を、倫理委員会の承認ならびに病院長の許可のもと、倫理指針および法令を遵守して実施しますので、ご協力をお願いいたします。
この研究を実施することによる、患者さまへの新たな負担は一切ありません。また患者さまのプライバシー保護については最善を尽くします。
本研究への協力を望まれない患者さまは、「14.問い合わせ連絡先」に示しました連絡先までお申し出くださいますようお願いいたします。

1.研究課題名

急性期フォークト・小柳・原田病に対するステロイドパルス療法とステロイド内服+シクロスポリン併用療法の長期経過の比較検討

2.この研究の目的

フォークト・小柳・原田病は、頭痛や耳鳴り、微熱や倦怠感などの全身症状の後にぶどう膜炎を発症し視力が低下することもある自己免疫疾患です。かつての標準的な治療法はステロイドパルス療法(副腎皮質ステロイドの大量点滴治療)でした。近年は、ステロイドの大量点滴を行わなくても、ステロイド薬とシクロスポリンなどの免疫抑制薬を内服することで十分な治療効果があることがわかってきました。また、これまでの研究により、大量点滴療法より内服併用療法の方が夕焼け状眼底や白内障といった合併症を抑えられる可能性が示されたため、最近はステロイドとシクロスポリンの内服が標準的になっています。
フォークト・小柳・原田病では、軽いぶどう膜炎が長引いたり、長期間経ってからぶどう膜炎が再発することもあります。この研究の目的は、最初の治療がステロイドパルス療法か、ステロイド+シクロスポリン内服併用療法かにより長期経過が異なるのかどうか比較検討し、より良い治療法選択に活かすことです。

3.対象となる患者さま

2010年1月から2022年12月までに初発のフォークト・小柳・原田病と診断され、宮田眼科病院、宮田眼科 鹿児島で治療を開始し、治療開始から3年以上経過している患者さま。

4.研究期間

研究機関の長の許可後〜2026年12月31日まで(研究開始時期: 2025年 11月 25日)

5.研究の方法

研究対象の患者さまの診療情報(カルテ)から研究に必要な情報を収集して使用します。

6.利用する診療情報

以下の診療情報を使用します。
治療内容、再発の有無・回数
視力、眼圧、夕焼け状眼底の程度、眼合併症
発症時年齢、性別、既往症、全身合併症

7.データの送付と送付先での管理について

データ保管の際には、カルテ番号以外に、データ保管用の識別番号が付けられます。個々の検査結果は個人情報を排除し、データ保管専用の識別番号のみで管理します。研究に使用するデータは宮田眼科病院で厳重に管理・保存され、研究の終了が報告された日から5年を経過又は研究結果の最終の公表について報告した日から3年を経過した日のいずれか遅い日まで保存し、その後廃棄します。

8.研究機関名および研究責任者名

研究機関:宮田眼科病院、宮田眼科 鹿児島
責任者:宮田和典

9.個人情報等の取扱い

1)本研究で取り扱う患者さまの個人情報は、氏名・年齢・性別のみです。その他の個人情報(住所、電話番号など)は一切取り扱いません。
2)本研究で取り扱う患者さまの診療情報は、個人情報が特定できないような匿名化した研究用識別コードにより管理し、使用します。
3)患者さまの個人情報と匿名化した診療情報を結びつける対応表は、個人情報管理者が研究終了するまで鍵を掛け管理します。また、研究計画書に記載された所定の時点で完全に抹消し、破棄します。
4)本研究によって得られた成果を学会や論文などに発表する場合は、研究対象者にプライバシー上の不利益が生じないよう、適切に匿名化されていることを確認した上で公表を行います。

10.研究対象者に生じる負担並びに予測されるリスクおよび利益

本研究は診療情報を用いて行われるため、患者さまへの医療上の利益・不利益はありません。社会的な危険性と不利益に関して、研究情報の漏洩被害が考えられますが、上記のように個人情報が守秘・保護されますので、この危険性はないよう対処致します。

11.本研究への参加を希望されない場合

患者さまやご家族が本研究への参加を希望されず、試料・情報の利用又は提供の停止を希望される場合は、下記の問い合わせ先へご連絡ください。一度ご協力いただいた後でも随時撤回することが可能です。ご協力いただけなくても、患者さまに不利益は生じませんのでご安心ください。ご協力頂けない場合、共同研究期間へ提供された情報も含め、得られた情報は全て破棄します。ただし、ご協力頂けない旨の意思表示があった時点で既に研究結果が公表されていた場合など、データから除けない場合もあります。すでに研究結果が公表されている場合など、ご希望に添えない場合もございます。

12.研究に関する情報公開

患者さまが希望すれば、研究にご協力いただいた患者さまの個人情報等の保護およびこの研究の独創性の確保に支障がない範囲内で研究計画書や研究の方法に関する資料の患者さまへの閲覧開示を検討いたします。開示をご希望される場合は、【14.問い合わせ先】にご連絡ください。

13.研究の資金源と利益相反

臨床研究を行うにあたって、企業の利益のために公正で適正な判断が損なわれることが第三者から疑われる状態になることがあります。このような状態を「起こり得る利害衝突(利益相反)」と呼びます。この研究は、研究機関の研究費でまかなわれるために、このような利益相反はありません。

14.問い合わせ連絡先

宮田眼科病院: TEL 0986-22-1441 FAX 0986-23-2174
宮田眼科 鹿児島: TEL 099-286-1213 FAX 099-286-1190
責任医師 宮田和典