医療法人明和会 宮田眼科病院(宮崎県都城市)WEBサイト 診療科目:レーシック,近視矯正手術,白内障,緑内障等。

多焦点眼内レンズ

 

多焦点眼内レンズ

 

 多焦点眼内レンズの歴史は意外に長く、1990年代から既に使用されています。しかし、初期のモデルは光学的なデザインが未熟であり、手術も多焦点眼内レンズの機能を引き出せるレベルにありませんでした。
 その後、様々なタイプの多焦点眼内レンズが登場し、患者様のライフスタイルや希望する見え方に合わせたレンズを選択する時代になっております。現在、患者様の認知度も高くなり、ニーズに応える必要があると考え、多焦点眼内レンズに力を入れて取り組んでおります。
 これまで本邦では、遠・近距離を重視した回折型および屈折型のレンズが認可されていましたが、中間距離がぼやけてしまうという欠点がありました。2017年に新しく認可された多焦点眼内レンズは、エシェレット回折により広い焦点深度(Extendeddepthoffocus:EDOF)を持っており・以前のタイプに比べると近方視は弱くなりますが、中間から遠くまで連続的に見えるという特徴があります。また、高いコントラスト感度を維持し、グレア・ハローも少ないと言われており期待されています。

 

 

患者様への理解を深めていくために

 

 今後も様々な多焦点眼内レンズが登場してくると考えられ、術前に患者様のライフスタイルやニーズについて十分に相談し、最適なレンズを選択する必要があります。また多焦点眼内レンズは、グレア・ハロー、コントラスト感度の低下といった問題点があり、完全に眼鏡から解放されるわけではないことも患者様に理解して頂かなければなりません。
 そこで当院では、多焦点眼内レンズに興味がある患者様を対象として理解を深めて頂くために説明会を随時開催することにしております。さらに2018年より、多焦点レンズの専門外来を立ち上げ、レンズの適応や種類の決定に加えて、多焦点眼内レンズを挿入した患者様の不満に対するケアなども行っています。
 患者様にとって信頼ある医療を提供できるように取り組んでいく所存ですので、今後も皆様のご指導、ご鞭撻のほど何卒よろしくお願い申し上げます。


文/宮田眼科病院 診療部長
森 洋斉

 

多焦点眼内レンズについて (院内配布用パンフレット)

 

【多焦点眼内レンズとは?】

 

遠近両用レンズを水晶体の代わりに眼内に入れ、遠くも近くも見えやすくする方法です。正しくは「多焦点眼内レンズを用いた水晶体再建術」といい、白内障手術(水晶体再建術)のオプションとして現在行われています。遠くか近くかいずれかに合わさなければいけない単焦点レンズは例えば遠くに合わせたレンズを選択した場合、老眼鏡が必要になります。多焦点レンズなら、遠くにも近くにもピントが合うためメガネなしの生活も可能になります。

 

【多焦点眼内レンズのメリット】

 

従来の眼内レンズ(単焦点眼内レンズ)では、遠くか近くのどちらかにピントを合わせるため、必要に応じてメガネを使用しなければなりません。

 

多焦点眼内レンズは、遠くと近くに焦点を合わせることができます。そのため、従来の単焦点眼内レンズと比べメガネを必要とする機会を減らすことができます。

 

【多焦点眼内レンズの適応】

 

多焦点眼内レンズは高価なため、見え方への期待が高くなります。手術前に予想していた見え方より、術後の見え方が悪いようであれば、不満を感じる患者様もいらっしゃると思います。

  ◆ 白内障以外の眼疾患がある
  ◆ 夜間の運転を頻繁に行う
  ◆ 繊細な性格の方
  ◆ 多焦点眼内レンズをあまり理解されていない
このような患者様には多焦点眼内レンズは適応とならない場合があります。

 

【多焦点眼内レンズの注意点】

 

◯見え方への順応 手術直後からよく見えるとは限りません。見え方に慣れるのに、時間がかかる(数ヶ月程度)場合もあります。

◯メガネについて
  ◆ ピントが合わない距離をみるとき
  ◆ 小さな字を読むとき
  ◆ 薄暗いところで文字を読むとき
 
このような場面ではメガネが必要になる可能性もあります。
手術前にしっかり理解しておきましょう。

 

【単焦点と多焦点眼内レンズの見え方】

 


多焦点眼内レンズは単焦点眼内レンズに比べて、ハロー・グレアやコントラスト感度の低下が起こりやすくなります。

 

多焦点眼内レンズを入れた場合、光の周りに輪がかかって見える現象(ハロー)や光がぎらつき、眩しく感じる現象(グレア)があります。
この現象は時間とともに軽快し、気にならなくなる方が多いようです。

 

写真は分かりやすく表現してあります。見え方には個人差があります。

 

【眼内レンズの種類による見え方の違い】

 

眼内レンズの種類により、見えやすくなる距離や特徴が異なります。どのレンズを選択するかは、診察で担当医が患者様と十分相談し、決定します。

 

多焦点と単焦点レンズの見え方

 

 

【費用について】

 

「多焦点眼内レンズ」は健康保険対象外であるため、患者様の自己負担になります。  

治療をご希望の方は、予約が必要です。

多焦点眼内レンズをご希望の方は、予約が必要です。
まずは、予約センターにお電話いただき、お問い合わせください。

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