ICLの特徴
ICLのメリットとレーシックとの比較、リスクについて
ICLのメリット

日帰り手術 回復も早い
両眼で約20分の日帰り手術です。縫合や抜糸の必要がなく、傷口は自然に治癒します。

眼に優しい生体適合の素材
無色透明のソフトコンタクトレンズのような素材で、有害な紫外線をカットする機能もあります。半永久的に使用可能です。

手術後がずっとお手入れ不要
眼の中のレンズはくもったり汚れたり、ゴロつくことがないので、日々のお手入れや、メンテナンスは不要です。

強度近視に対応
レーシックの適応にならない強度の近視(約-18Dまで)・遠視・乱視も対応可能。

ドライアイになりにくい
切開創が小さいため、ドライアイの原因にはなりません。(元々ドライアイの人は症状が改善することはありません。)

ハロー・グレアが起こりにくい
夜間や暗いところで光を見たときに、ハロー(光の周辺に輪がかかって見えること)やグレア(光が長く伸びてまぶしく見えること)が起こりにくい。

元に戻せる安心
角膜を削らないので、万一、不具合が生じた時にレンズを取り外して元の状態に戻すことができます。将来、眼の病気になった時、治療の選択肢が狭くなるようなことはありません。
ICLとレーシックとの比較
ICL | レーシック | |
---|---|---|
特長 | ・強度の近視、遠視、乱視も矯正可 ・取り外して元に戻せる ・ドライアイになりにくい ・ハロー・グレアが起こりにくい ・薄い角膜の方にも対応 |
・近視、遠視、乱視も矯正可 ・視力回復スピードが早い ・広く普及しているため費用が安い |
矯正方法 | 角膜に切れ目を入れて眼内レンズを挿入 | レーザーでフラップを作成し、エキシマレーザーを照射して角膜を削る |
角膜の形状 | 変わらない | 変わる |
可逆性 | あり | なし |
手術時間 |
両眼おおよそ20~30分 | 両眼おおよそ10~15分 |
近視 |
◎(強度近視対応可能) | 〇 |
遠視 |
〇 | 〇 |
乱視 |
〇 | 〇 |
老眼 |
× | × |
回復 | 翌日 | 当日 |
リスクについて
ハロー・グレア
夜間や暗いところで光を見たときに、ハロー(光の周辺に輪がかかって見えること)やグレア(光が長く伸びてまぶしく見え ること)の症状を感じる場合がありますが、ほとんどの方が数か月で解消します。

白内障
ICLと水晶体が接触した場合や、房水の流れが悪くなることによる代謝異常によって、水晶体の混濁(白内障)をきたすことがあります。視機能に影響する場合は、ICLを取り出し、白内障手術を行います。
その際は新たに眼内レンズを入れますので、またよい視力を取り戻すことができます。レンズのサイズが小さく白内障を引き起こすおそれがある場合は、レンズを交換します。以前のレンズでは長期的にみると2~4%発生していましたが、新しいホールICLレンズ(EVO ICL)になってからはその発生率は低下しています。
眼圧上昇
手術直後は若干の眼圧上昇をきたします。通常は目薬や飲み薬、時には点滴などをして眼圧を下げてから帰宅していただきます。稀に、眼圧が下がらない場合はレンズを取り出したり、レンズサイズが大きい場合には、適切なサイズのレンズに入れ替えることもあります。
角膜内皮細胞障害
眼科手術においては起こりうる合併症ですが、ICLの術後はわずかな障害に留まっています。
度数のずれ
術前に予測した屈折度数とズレが生じ、期待する視力より若干劣る場合があります。
感染症
ICL手術ではレンズを挿入するため角膜に3mm程度の創口を作ります。
術後しばらくの間はその傷口が弱いため目を強くぶつけたり、こすったりすると傷口が開き、細菌が侵入して、感染症を起こす可能性があります。