有水晶体後房レンズ(ICL)
当院は2014年より、屈折矯正手術である有水晶体後房レンズICL (Implantable Collamer Lens)手術を行っております。ICLは、近視・遠視および乱視矯正を目的に STAAR surgical社によって1994年に開発された後房型の有水晶体眼内レンズになります。2003年~2004年に臨床治験が行われ、その良好な臨床成績から2010年に国内において厚生労働省の認可を得た唯一の有水晶体眼内レンズです。ICLは長方形のレンズで素材はコラマーという重合体でできています。最初のレンズ開発から改良が重ねられ、現在当院で使用しているレンズは最新モデルである KS-AquaPORT VICM5・VICM5(乱視用)になります。このICLはレンズ中央に0.36mmの微小な穴が作成されており、この穴によって従来必要であった虹彩切除が不要となるため、合併症(眼圧上昇、白内障)の軽減が期待されています。中央の穴は通常、見え方には影響しません。LASIKの適応外となるような強度近視症例に対しても良好な裸眼視力を得ることが可能であり、また屈折の戻りも少ないことが報告されています。
ICLの形状と固定位置
ICL手術の流れ(動画)
ICL手術の流れ
1.瞳孔を拡大させ、点眼麻酔をして 角膜の縁を約 3mm切開します。
2.切開した部分からレンズを 眼の中に入れます。
3.レンズを虹彩と 水晶体の間に固定します。
4.瞳孔を収縮させ手術終了です。