フェムトセカンドレーザー
Femtosecond Laser IntraLaser
フェムトセカンドレーザーは、1000兆分の1秒という大変短い時間のレーザー光を集めて、角膜を切除する全く新しい技術です(図2)。当院が導入したフェムトセカンドレーザーは、米国Abbott社製の最新モデル、イントラレースiFSです。この装置は、2010年に厚生労働省の承認を取得しています。すでに、国内外で約330台(2011年4月時点)も使用され、臨床使用件数も10万以上と世界で最も多く使用されています。最新のフェムトセカンドレーザーの高い安全性と良好な術後成績が、これまでに多く報告されています。
フェムトセカンドレーザーでは、レーザー光線を集光させることにより、プラズマを発生させ、角膜の組織を切除できます(図3)。微小プラズマの生成により約1μlの角膜組織が気化され、二酸化炭素と水のバブルにより角膜組織に隙間が発生します。その後、二酸化炭素と水は吸収され、切断面が形成されます。この最先端のレーザー技術により、正確に任意の厚さ、形状で角膜を切除することが可能となりました。フェムトセカンドレーザーを使用することで、LASIK手術では正確な厚みを持ったフラップ作成を行えるようになります。またフェムトセカンドレーザーは、表層角膜移植術や、全層角膜移植術への応用も盛んに行われており、従来の術式に比べ、安全性、精度が高いことが期待されています。
今後、当院でも角膜移植術を始め、乱視矯正手術や円錐角膜の治療にフェムトセカンドレーザーを用いる予定です。